男と女の保存方法。
男は名前をつけて保存。
女は上書き保存。
なんて言われている色恋沙汰の世の中な訳だが。実際どうかと聞かれれば、もうそれは「人それぞれ」なわけだ。
でも私は思う。「人それぞれ」という言葉はとてもズルくて逃げている。その言葉はどんなことにも誰にでも当てはまるのだから。
何が正しい? とか
どっちが可愛い? とか
何が良い? とか
アウトとセーフはどこから? とか
楽な回答は「人それぞれ」。
だからこそ、誰から誰に対しての質問なのか、が大切なのだと思う。
そして、誰が言うのか。
言葉は、言う人間によって重さが変わる。
私がなぜ今こんなことを書いているのか。
それは今少し酔っているからであるが、全くもって、自分の意見が求められているだとか思っていない。でも、どうしても思ってきたことを提示しておきたいのだ。私のために。
私の付き合った人数は今のところ3人。ただ今彼氏無し。オールフリーである。
クリスマスは親友と過ごす。たぶん今までで1番充実するものになるであろうことが決定しているような仲なわけだ。
話を色恋沙汰に戻す。
最初の彼氏にはフられた。たぶん私と合わなかったのだろう。
問題は、2回目と3回目だ。私がフった。
世のSNSにフられた側のウジウジしたツイートが蔓延っているのをよく目にする。だが、フる側だって辛い。どう頑張ったってダメな時ってある。気持ちばっかりはどうしようもない。
世間体を気にした結果、フる側も辛いんだよ、みたいなツイートなどは出来ない。
「FF外から失礼します。それはフられた人があまりにも可哀相だと思います。それは自分勝手なことなのではないですか?」
……絶対くる。こんなやつ。
私だけかもしれないが、2回目と3回目の彼氏だった人に、怯える目を向けられたことが多々あった。恐る恐る、みたいな感じ。
私は普通に気づいていたし、気づかないふりをして、傷ついていた。
よく周りの人から、世話焼きそう、尽くしそうとか言われる。
実際とてもサバサバしている。お互い自立していたい。自分のことは自分でやっててほしい。束縛はしない。思ったことは割とはっきり言うし、嬉しいことも不快なことも、言葉を選んで言う。
なよなよしていたり、女々しいところが目についてしまったら指摘してしまう。
言葉にしてくれて嬉しいとか言ってくれたけど、少しずつ私のご機嫌とりみたいになっていっていると感じていた。
きっとそういうところが「愛している」だとか「好き」だとかに違反して見えていたのだろうと今思う。
でも、それの何倍にも楽しいことや嬉しいこと、共有できたことがあった。
色々な積み重ねは良い方向に向かう時もあれば、首を緩やかに締めていくこともある。
私に向けられた怯える目が、私を苦しめた。
だから、私にはあなたじゃないという旨を伝えた。それを裏返せば、あなたには私じゃないということだ。
そして少し日が経ち、私は付き合っていたことが遠い昔に感じられて今を生きている頃、連絡が届いたり届かなかったりする。
私はげんなりする。私はもうそこにいないから。わかるまで待てないし、待ってないし。
そしてあの言葉を思い出す。
男は名前をつけて保存。
女は上書き保存。
私はそうじゃないと思った。男じゃないから男の方はわからないが、少なくとも女の私は
名前をつけて削除。
時々思い出して痛くなったりするけれど普通に生活してて忘れているのだ。
写真のフォルダで最近削除された項目を見てみるが、復元はしない。みたいな恋。いつか自動削除。
あまりにも冷めていると言われたこともある。でもたしかにあの時あの瞬間は好きだった。
肝心なのは、今がどうか。だって私は今を生きているのだから。