美術館

今日、「印象派への旅 海運王の夢ーバレルコレクションー」というイベントがやっているBunkamuraへ行ってきた。ドガをはじめとした印象派の絵画が展示されていた。

ずっと行ってみたかった展示会だった。印象派はいつか観てみたいという気持ちが心の隅にあった。新宿駅にもあるが早稲田駅にも時々胸踊るような告知がででんと電子掲示板(?)みたいなのにあって、それを見て、すかさず写真を撮っていた。絶対行くって思った。

 

今年に入って仲良くなった絵に詳しい友達と行った。その子は私と同じ近代文学のゼミにいて、他の授業を受けている時見かける時は大抵一人でいる。私も大抵一人でいる。その子は感情を表にわかりやすく出さないでいつも落ち着いている。私はわかりやすく出すことが多い。文学についての、絵についての知識も豊富でそれらのことについて話している時は嬉しさに似た好奇心が溢れつつ輝いて見える。その子から絵について話を聞いたことがあった。

小説と違って絵って一瞬じゃん。

この言葉が忘れられない。たしか、両者とも時間をたくさんかけているのに、絵の方は観る人の前に現れるのが一瞬という内容だった。

今日、印象派の絵を観ている時にあの子の声でその言葉が繰り返し再生された。

たしかに、描かれている物として存在が当たり前だ。目を動かしたら身体を動かしたら次の絵を観る。

一瞬、か。

それってすごい。

印象派の絵の中にもふーんで素通りしてしまう物もあればすごく好きだなぁと思う物もあった。

静物を描いた絵があった。暗い部屋の中に色アンティークとかが飾ってある、という絵。絵の雰囲気にやられて立ち止まってそれをじいっと観てみると、空気感というか、空間というか、それを観ている間、私の五感は絵の中にあった。照明の感じや匂いや身体の重さが絵と一体になっていく感じ。それがとても心地よかった。作者はこんな感覚でその場にいたのだろうか、とかどんな人が歩いたのだろうとか、色々思った。

暗い部屋の絵以外にもたくさん良い絵があって、それぞれに楽しんで、とても五感が充実した。ほんとに楽しかった。

最後にグッズを買った。友達は展示された全ての絵の紹介ブックみたいなとても綺麗でかわいい本を買っていた。当たりの展示の時は奮発して買うと前に言っていたのを思い出した。

私は予算が無かったためにそれは買えなかった。代わりにポストカードを買った。

厳選の4枚。

とてもとてもお気に入りだ。

今家に帰った後なのだが、繰り返し繰り返し、観返してしまうほどにどれも好きだ。

これ買ったんだ、と友達に見せたら

静物のやつ買ったんだ、センスいいね。

と言われた。あぁやっぱりこの子好きだなぁと思った。またその子と同じ物を観てみたいと思った。

買った内の1枚は本当はこの展示に一緒に行くはずだった親友にあげようと思う。

んー。どれをあげようか、今とても悩んでいる。